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競売と任意売却の比較が重要な理由は?違いやメリットを整理して解説

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鳥居 康孝

筆者 鳥居 康孝

不動産キャリア30年

これからの社会の根底を不動産業を通して変えていきたいと強く考えています。この業界は長いので、過去・現在・未来の変化を肌で感じていますので、お客様に寄り添ったご提案には自信があります。どんな些細なことでもお気軽にお問合せください。

このブログはこのような方におすすめ!
  • 住宅ローンの返済に不安を感じている
  • 差押え・督促などの通知を受けている
  • 自分に合った売却方法を選びたい

「競売」と「任意売却」という言葉を耳にしたことはあるものの、どちらが自分にとって適切なのか迷われる方も多いのではないでしょうか。売却方法によって、価格や残る借金、プライバシーや引っ越し条件など、様々な違いがあります。

本記事では、競売と任意売却の主な違いについてわかりやすく解説し、どちらを選ぶべきか考えるためのポイントをご案内いたします。ご自身やご家族を守る判断材料として、ぜひ最後までご覧ください。

競売と任意売却とはどのような手続きか

競売とは、住宅ローンの返済が滞った際に、金融機関などの債権者が裁判所に申し立てを行い、所有者の意思に関係なく裁判所が主導して不動産を強制的に売却する手続きです。物件は入札により落札者に売却され、得られた代金は債権者へ配分されます。このため、売主側は売却価格や手続きの内容に関して関与することはできません。

一方、任意売却とは、住宅ローンの返済が困難になった場合に、所有者が金融機関の同意を得て、任意の意思で不動産を市場に近い価格で売却する方法です。売却後に残る債務については、金融機関と返済方法を協議のうえ、分割返済など柔軟な対応が可能となることもあります。

以下の表で、まず両者の基本的な違いを示します。

項目競売任意売却
進行主体裁判所主導(債権者が申し立て)所有者と金融機関の合意に基づく
売却の意思所有者の意思は反映されない所有者が主体的に進めることが可能
売却価格一般に市場価格の50~70%程度市場価格に近い価格が期待できる

売却価格および残債の違いについて

競売では、不動産は裁判所を通じて強制的に売却されるため、売却価格は市場価格よりかなり低くなる傾向にあります。一般的には市場価格の6割から7割程度で落札されるケースが多いとされています。このため、売却代金ではローンの残債を十分に返済できず、結果として残債が大きく残る可能性が高まります。

一方、任意売却では市場価格に近い価格で売却できる可能性が高く、一般には市場価格の8割から9割程度(場合によってはそれ以上)での成約が期待できます。その結果、競売と比べて残債が少なくなる可能性が非常に高いのが特徴です。

項目 競売 任意売却
売却価格の目安 市場価格の60~70%程度 市場価格の80~90%程度
残債の可能性 残債が多く残りやすい 残債が少なくなる可能性が高い
売却後の負担 返済が厳しくなる恐れあり 生活再建に向けた余裕が生まれやすい

これらの違いは、競売と任意売却の選択を検討している方にとってとても重要な視点です。より高い売却価格を得ることで残債の負担を軽くできる任意売却は、安心して新たな生活を始めるためにも非常に有効な方法といえます。

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プライバシー保護・引っ越しの自由度などの違い

競売では、住宅ローンを滞納した事実や物件情報が裁判所や競売情報サイト、不動産競売刊行物などで広く公開されてしまうため、近隣や周囲に事情が知られやすくなります。現況調査の際には執行官や鑑定士が無断で訪問し、写真撮影などが行われることもあり、プライバシーが大きく侵害されるリスクがあります。

一方、任意売却は通常の売却と同様に進めるため、住宅ローン滞納などの事情が公にされることはほとんどありません。リースバックなど特別な手法を使えば、そもそも売りに出していること自体が非公開となる場合もあります。そのため、プライバシー保護の面では任意売却が圧倒的に有利です。

さらに、引っ越しの自由度についても大きな差があります。競売では裁判所や落札者の都合により引っ越し期限が厳格に定められ、退去が遅れれば強制執行による追い出しや家財一式の搬出などが実施される可能性もあります。

これに対し、任意売却では売主の事情に応じて引き渡し時期を柔軟に調整できる点が特徴です。さらに、金融機関との交渉次第では、引っ越し費用を売却代金の中から確保してもらえるケースもあります。このため、引っ越しにかかる負担や時間的余裕を確保しやすく、精神的にも余裕を持って次の生活に移りやすくなります。

以下の表に、競売と任意売却における「プライバシー保護」と「引っ越しの自由度」の違いをまとめました。

項目 競売 任意売却
プライバシー保護 物件情報や滞納事実が公開されるため知られやすい 通常売却と同様の扱いで非公開扱いとなりやすい
引っ越しの自由度 裁判所や落札者の都合により退去期限が決められる 売主の希望に応じたスケジュール調整が可能
引っ越し費用 支給されないことがほとんど 売却代金の中から引っ越し費用を確保できる可能性あり

手続きの主体・交渉の自由度とその影響

競売では、所有者の意思が手続きに反映されず、裁判所主導で進行されます。具体的には、住宅ローン会社が申し立てを行い、裁判所が差し押さえから売却までを一括して管理するため、売主は誰に、いつ、いくらで売るかといった交渉には一切関与できません 。

一方、任意売却では、売主が主体的に動くことが可能です。金融機関の同意を得たうえで売主と不動産会社が連携しながら売却活動を進めます。売却価格や引き渡し時期、残債の返済方法などについて、金融機関と交渉する自由度があり、売主の事情を考慮した対応が可能になります 。

以下に、自由度の違いとその影響を整理した表をご覧ください。

比較項目競売任意売却
手続き主体・主導裁判所/金融機関側が主導売主が主体的に進め、金融機関と協議
交渉の自由度一切なし(売主の意向は反映されない)売主と金融機関が条件を交渉可能
売主への影響強制的・意思不反映・プライバシー保護なし柔軟な条件設定・配慮あり・プライバシー保持可

このように、手続きの主体と交渉の自由度の差は、売主にとって大きな意味を持ちます。競売は強制的に進み、売主に選択の余地はありませんが、任意売却では売主が自らの事情を反映させながら進められるため、心理的な負担も軽減され、納得できる条件での売却に繋がります。

まとめ

競売と任意売却の違いについてご説明しましたが、それぞれに特徴があり、自身の状況に合った選択が重要です。競売は手続きが強制的に進み、市場価格よりも安い価格で売却される傾向があるうえ、プライバシーにも配慮されません。一方、任意売却は市場に近い価格が期待でき、プライバシーを守りながら売却や引っ越しの条件も配慮できます。どちらの方法がよりご自身に合っているか、メリットとデメリットを冷静に比較して判断することが大切です。

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